レビュー

2010年03月25日

ジンロー


そういえば2009年の読書感想文をうんたらかんたらっていうのを、
書くのをすっかり忘れていた。

もう一ヶ月か二ヶ月くらい過ぎてる。
もう読んだ内容とか細かく覚えてないし、何を書こうとしたかも知らない。
とりあえず四月中には、ランキング10に入れた本だけでも感想書こう。


というわけで、小説についてちょっと書きましょうか。
左下にある読書記録が結構長くなってきました。このペースなら、
年間で100冊は軽く超えれそうです。
お金が持つか心配ですけど。

いっとき、入間人間さんと古野まほろさんと中村九郎さんの作品を並行して読んでいた時期がありまして、
その時の僕の日本語能力は、いろいろ狂っていた気がします。
分かる人には分かるお話。

偶然なのかブームなのか、最近『汝は人狼なりや?』を
モチーフにしたであろう小説に出会います。

ざっとあげると、月見月理解の探偵殺人、空ろの箱と零のマリア3、
今日買って読み終わった殺戮ゲームの館。
詳しいルールは省いて紹介します。大体の雰囲気で。
結構こじつけかもしれませんが、人狼好きな人なら楽しめるかと。

月見月理解の探偵殺人には、
アイテムを駆使しながら、殺人者は皆を殺し、他の人は殺人者を見つけて殺すor地下室へ送り閉じ込める。
そして最後の一人になったら勝ちという、探偵殺人ゲームが出てきます。
最初読んだときは、人狼っぽいとは思いませんでしたが、
インタビューで人狼が元ネタとかおっしゃっていた気がします。
しかし、このゲームあんまりストーリーと絡んでない気が……。

で、空ろの箱と零のマリア3。
こちらは王降ろしの国という、これまた殺し合いのゲームが出てきます。
参加者にそれぞれ役職があり、それぞれの勝利条件が異なります。
最終日まで生き延びれば良い魔法使いなど。
人狼よりはシークレットゲーム(そういうゲームがある)に近いかもしれませんが、
世界観と雰囲気は人狼よりです。
若干ルールに穴がある気がしないでもないのですが……。

殺戮ゲームの館は、読み始めてすぐ人狼臭が。
村人と魔物に分かれてのデスゲームです。
魔物は夜の間に村人を一人殺す。
村人が魔物を倒すには、刀を持っている村人を襲撃させるか、
井戸に閉じ込めて溺れさせるか。
圧倒的に魔物有利なゲームの中で、村人がいかに魔物に抵抗するかが見ものです。
ラプンツェルの翼では得られなかった、扉の外っぽい、
人間の憎悪と疑心暗鬼がうずまく殺人ゲーム。
土橋さんにはこういうのをもっと書いてもらいたいです。
人狼好きにオススメ。

しっかし、僕は人が死ぬ話の小説が大好きですね。笑えない。
バトル・ロワイアルみたいな、ただ殺しあうだけのものよりは、
頭脳を使って殺しあうデスゲームのほうが好みです。

というわけで人狼バンザイ!



PS:
殺戮ゲームの館は、土橋真二郎さんが昔、横溝正史賞に投稿していた
「生贄志願者募ります」っていう話を改めたモノなのかしら?
ちなみに僕が前に作った「自殺志願者募ります」のタイトルは、
↑からパクリました。ごめんなさい。マニアックでごめんなさい。

nagnesium2 at 22:50|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2010年03月18日

フラクション


一部、ミステリファンの間で話題になってる、駕籠真太郎のフラクションを読む。
一応漫画です。

作者初のミステリらしいです。
エログロスカトロ不謹慎ネタで有名な作者らしいので、ちょっと警戒して読みましたが……。

……これはヤバかった。
なんかもう、僕の常識というか、なんというか、ぶっ飛びました。
僕の住んでる世界にはこんな事考えることが出来る人間がいるのかという呆れと驚きで胸いっぱい。

内容は、連続殺人(女性を生きたまま輪切りにして殺す)をメインにしたもの。

連続殺人を犯す男と、その事件をネタにして漫画を描こうとする漫画家の視点で描かれます。

そして最後に明かされ続ける驚愕のバカトリック。

人体切断で有名なミステリ「占星術殺人事件」より、
人体切断で有名なバカトリックのある「翼ある闇」より、
理解し難く予想以上の仕掛けが隠されています。

しかも、ほぼ答えを明かした上での解答なので、
フェアすぎる。なんで気がつかなかったのか……。
……って、気が付く方が異常か。

ネタを言ってしまいたいけれど、まぁ、言えませんよね。


エログロが大好きな方なら読んで損はないです。
ぜひ読んでください。

僕はエログロダメなので、目を細めながら恐る恐るページを捲りました。
頑張って読んだ甲斐あった!
このトリックはまさに漫画でしかできないもの。


おまけに短編がありますが、アレはミステリと関係ないです。
読んだけど、トラウマが残っただけです。

でも、表題作のフラクションは、キワモノ好きにはとてつもない収穫。
ミステリ好きは、覚悟を決めて読んでみるべき。

……ちょっとお値段高いですけどね。


気になったらぐぐってみるとよろし。
表紙からしてグロなので、自己責任で。

本屋で取り寄せるときすごく勇気が必要だったんだから!
店員さんにマークされないか。

このまま僕死んで、遺品として家族が見たちゃったら、僕のイメージぶっ壊しちゃう。

しかも本のサイズでかいから、本棚に入らないし。

誰か貸すよ。預かってて。(笑)

nagnesium2 at 22:46|PermalinkComments(0)TrackBack(0)